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平成29年度税制改正 所得拡大促進税制

1制度の概要

青色申告法人が平成25年4月1日から平成30年3月31日までに開始する各事業年度において、国内雇用者に対して給与等を支給する場合において、その法人の適用事業年度の雇用者給与等支給額が基準事業年度の雇用者給与等支給額に比して一定割合以上増加などの要件を満たしたときは、その雇用者給与等支給額の増加額の10%(税額控除限度額)を法人税額から控除(税額控除上限額:法人税額の10%(中小企業者等は20%)を限度)する制度です。
適用にあたっては、給与等の支給額に関して3つの要件があり、要件によって判定に用いる給与等の範囲が異なります(2.適用要件参照)。

2適用要件

所得拡大促進税制の適用を受けるためには、以下の3つの要件をすべて満たすことが必要です。
適用要件
適用のイメージ図
所得拡大 図1
以下にそれぞれの要件の詳細について説明します。
(1)要件①
当期の雇用者給与等支給額が基準事業年度の雇用者給与等支給額に比して一定割合以上増加していること
【雇用者】
その法人の使用人(役員、役員の特殊関係者、使用人兼務役員を除く)で、国内に所在する事業所につき作成された労働基準法108条に規定する賃金台帳に記載された者(国内雇用者)をいいます。
・①使用人であること、②賃金台帳へ記載すること、③国内勤務であること、がポイントです。
・使用人の範囲は、正社員、パートタイマー等の雇用条件の別、雇用保険加入の有無にかかわりません。
・役員の特殊関係者とは、役員の親族、役員と事実上婚姻関係と同様の事情のある者等を指し、これらの者は雇用者に含まれません。
・労働者派遣法42条「派遣先管理台帳」の記載対象である派遣社員は、賃金台帳の記載対象でないため雇用者に含まれません。
・海外赴任者は国内勤務でないため、国内雇用者に含まれません。
【給与等】
所得税法28条第1項に規定する給料、賃金、賞与等で、各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入されるものをいいます。
・退職手当や使用人兼務役員の使用人分給与は、給与等に含まれません。
・当期中に支給されておらず、未払計上した締後給与等で当期に損金経理されたものも給与等に含まれます。
・給与等の支給に充てるため他の者から支払を受ける金額(補助金等)は、雇用者給与等支給額の計算上控除します。
【基準事業年度】
平成25年4月1日以後に開始する各事業年度のうち最も古い事業年度開始の日の前日を含む事業年度をいいます。
・例1 3月決算法人の場合 平成24年4月1日~平成25年3月31日の事業年度
・例2 9月決算法人の場合 平成24年10月1日~平成25年9月30日の事業年度
【一定割合】
適用事業年度によって判定に用いる割合が異なります。
所得拡大 図2
【当期の月数と基準事業年度の月数が異なる場合】
次の算式により計算した金額を基準事業年度の雇用者給与等支給額とします。
所得拡大 図3

(2)要件② 総額ベース判定
当期の雇用者給与等支給額が前期の雇用者給与等支給額以上であること
・雇用者給与等支給額の計算方法は要件①と同様です。
・当期の月数と前期の月数が異なる場合は、前期の雇用者給与等支給額は以下の通り計算します。
所得拡大 図4

(3)要件③
平均ベース判定 当期の平均給与等支給額が前期の平均給与等支給額を超えること
【平均給与等支給額】
次の算式で計算した金額をいいます。
継続雇用者給与等支給額÷継続雇用者給与等支給者数
・継続雇用者とは、当期及び前期において給与等の支給を受けた国内雇用者をいいます。
・継続雇用者のうち、継続雇用制度対象者に対して支給した給与等は継続雇用者給与等支給額に含まれません。
・継続雇用者給与等支給額は、いわゆる雇用保険の一般被保険者に係る給与等支給額をいいます。
・要件①②と要件③で計算対象者が異なります。要件③では、要件①②での計算対象者である国内雇用者のうち継続雇用者に絞り込んで平均給与等支給額を計算します。
・平均給与等支給額は所得拡大促進税制の適用要件の判定のみに用い、税額控除限度額の計算には用いません。
所得拡大 図6
なお、平成29年度税制改正により、平成29年4月1日以後開始事業年度については要件③は以下のように改正されました。
【中小企業者等の場合】
当期の平均給与等支給額 > 前期の平均給与等支給額
※変更なし
【中小企業者等以外の場合】
当期の平均給与等支給額 ≧ 前期の平均給与等支給額×102%
※平成29年度税制改正により、賃上率が2%以上であることが求められることとなりました。
賃上率=(当期の平均給与等支給額-前期の平均給与等支給額) / 前期の平均給与等支給額

3税額控除の計算

(1)平成29年4月1日前開始事業年度
次の①と②のいずれか小さい金額が税額控除額となります。
①控除額
A×10%
※A(雇用者給与等支給増加額)=雇用者給与等支給額-基準事業年度の雇用者給与等支給額
②限度額
法人税額の10%(中小企業者等の場合20%)
(2)平成29年4月1日以後開始事業年度
【中小企業者等の場合】
次の①と②のいずれか小さい金額が税額控除額となります。
①控除額
(ア)要件③の賃上率が2%未満の場合
A×10%
(イ)要件③の賃上率が2%以上の場合(上乗せ措置)
A×10%+(A又はBのいずれか小さい金額)×12%
※B=当期の雇用者給与等支給額-前期の雇用者給与等支給額
②限度額
法人税額の20%
【中小企業者等以外の場合】
次の①と②のいずれか小さい金額が税額控除額となります。
①控除額
A×10%+(A又はBのいずれか小さい金額)×2%
②限度額
法人税額の10%
(具体例1)
要件①~③はすべて満たし、賃上率は2%以上、限度額以内とします。
所得拡大 図7
(具体例2)
要件①~③はすべて満たし、賃上率は2%以上、限度額以内とします。
所得拡大 図8

4実務上のポイント(新設法人の場合)

新設法人は、1円でも雇用者給与等支給額があれば設立事業年度から所得拡大促進税制の適用を受けることができます。
所得拡大 図11
基準事業年度の雇用者給与等支給額は、設立事業年度の雇用者給与等支給額の70%とされ、雇用者給与等支給額の増加割合は30%となりますので、要件①を満たすことになります。
所得拡大 図12
前期の雇用者給与等支給額は0円とされるので、要件②を満たすことになります。
所得拡大 図13
当期:継続雇用者の給与等支給額1円、継続雇用者の給与等支給者数は1人
前期:継続雇用者の給与等支給額0円、継続雇用者の給与等支給者数は1人
とされるので、(当期)1/1>(前期)0/1となり、要件③を満たすことになります。
なお、平成29年4月1日以後開始事業年度においては、前期の平均給与等支給額が0円の場合には以下の取扱いとなることに留意が必要である。
中小企業者等…上乗せ措置の適用はなく、10%の税額控除のみ適用
中小企業者等以外…設立1期目からの税額控除の適用なし

5平成30年4月1日以後開始事業年度(平成30年度税制改正大綱)

平成29年12月14日に平成30年度税制改正大綱が発表され、所得拡大促進税制は改組されることとなりました。適用期間は平成30年4月1日から平成33年3月31日までの間に開始する事業年度が対象で、適用要件及び税額控除額の算定方法が変更となっています。
【適用要件】
①(平均給与等支給額-前事業年度の平均給与等支給額)÷前事業年度の平均給与等支給額≧3%
※継続雇用者の範囲に見直しがされる予定
当期と前期の全期間の各月において給与等の支給がある雇用者で一定の者と定義されており、従前継続雇用者の対象であった「前期に中途入社した者」や「当期に退職した者」は除かれることとなります。これにより継続雇用者の把握及びカウントは従前より容易になると思われます。
②国内設備投資額≧減価償却費の総額×90%
※国内設備投資額・・・当期において取得等をした国内にある減価償却資産で当期末において有するものの取得価額の合計額
③教育訓練費≧前期及び前々期の教育訓練費教育訓練費の年平均額×1.2
【税額控除額(①と②のいずれか小さい金額)】
①控除額
適用要件①②を満たす場合・・・・C×15%
適用要件①②③を満たす場合・・・C×20%
※C(給与等支給増加額)=雇用者給与等支給額-前事業年度の雇用者給与等支給額
⇒税額控除額は基準年度からの増加額ではなく、前事業年度からの増加額により求めることとなります。
②限度額
法人税額の20%
以上

平成29年度税制改正 取引相場のない株式の評価方法見直し

1改正内容

平成29年1月1日以後の相続・贈与等により取得した取引相場のない株式(非上場株式)の評価方法が以下のように改正されました。
変更内容 改正前改正後

2改正の影響

【①について】
大会社の適用範囲を拡大
⇒一般的に純資産価額より類似業種比準価額の方が低い会社が多いため、低い株価を評価額とすることができる会社の範囲が増えることとなりました。

【②について】
平成12年度税制改正により利益金額の比重が「3」とされ、平成29年度税制改正前は「利益金額重視型」でしたが、比重の平均化がなされました。
⇒近年業績が好調の会社の株価の評価額を抑える効果があります。一方で、従来役員退職金の支給、特別償却の活用、含み損を抱えている不動産の売却などにより利益を圧縮し、自社株の株価を意図的に下げることができましたが、改正後は利益圧縮による節税効果が薄くなってしまいました。

【③について】
適切な時価の算定のため、比準要素の数値に連結決算を反映
⇒一般的に単体の個別金額よりも連結ベースの方が金額は大きくなると想定されます。このことから、類似業種比準要素の数値(分母の金額)が大きくなると考えられるため、株価は改正前よりも下がることとなると想定されます。

【④について】
類似業種の株価についてより長期間の2年間平均値が取れることとなりました。
⇒近年上場会社の株価が急激に変動することがあることから、中小企業の中には、業績に大きな変化のない状況下であっても、上場会社の株価上昇により想定外に株価が高く評価されてしまうことがありました。今回の改正によりこの株価の上昇を抑えることができる効果があると考えられます。

以上

平成29年度税制改正 医療費控除

1医療費控除とは

その年の1月1日から12月31日までの間に、本人又は本人と生計を一にする配偶者やその他の親族のために医療費を支払った場合には、一定の金額の所得控除を受けることができます。これを医療費控除といいます。
また、平成29年1月1日から医療費控除の特例であるセルフメディケーション税制が適用できるようになりました。
なお、“従来の医療費控除(本税制)”と “セルフメディケーション税制”は選択適用となります。

2医療費控除の計算

医療費控除の計算

3改正内容(適用要件)

改正内容
※この改正は平成29年分の確定申告から適用されますが、平成29年分から平成31年分までの確定申告については、従来通り、医療費領収書の添付をもって本税制の適用を受けることもできます。
※医療費通知書の添付により明細書の記載を省略する場合は、下記医療費控除に関する明細書の「1.医療費通知に関する事項」及び「3.控除額の計算」についてのみ記載します。
⇒参考:医療費控除に関する明細書ひな形及び記載例
https://www.nta.go.jp/tetsuzuki/shinkoku/shotoku/yoshiki02/pdf/ref1.pdf
※医療費通知書にその年の医療費全てが反映されていない場合(12月分など)は、その不足部分を明細書に記載する必要があります。この場合は、不足部分の領収証の保管(5年間)が必要です。
※医療費通知書を活用して電子申告をする場合は、被保険者(=納税者)が被保険者向けのウェブサイトにログインし、医療費通知“データ”をダウンロードしたあと、当該医療費通知“データ”をe-Taxへアップロードすることで通知書の添付を省略できます。

以上

中小企業等経営強化法に基づく税制措置

1中小企業等経営強化法立法の趣旨

本法律の趣旨は、労働力人口の減少、企業間の国際的な競争の活発化等の経済社会情勢の変化に対応し、中小企業等の経営強化を図るため、事業所管大臣が事業分野ごとに優良事例を反映した指針を策定するとともに、当該取組を支援するための措置等を講じるものです。

具体的には、中小企業等を対象として、(1)各事業所管大臣による事業分野別指針の策定や、(2)中小企業等の固定資産税の軽減や設備投資減税、金融支援等の特例措置を規定しています。

本稿では固定資産税の軽減と設備投資減税について説明しています。

2税制措置の共通事項

認定計画に基づき取得した資産を対象として各種優遇税制の適用が受けられます。

3固定資産税の特例

(1)概要
中小企業者等(資本金1億円以下の法人等。以下同じ。)がH29年4月1日からH31年3月31日までの期間内に中小企業等経営強化法の認定を受けた経営力向上計画に基づき一定の設備を新規取得した場合には、固定資産税が3年間、2分の1に軽減されます。

(2)対象設備
中小企業等経営強化法1

(3)適用を受けるための手続きの流れ
中小企業等経営強化法2
※原則として①~⑧の順に手続きを進めていきます。
※税務申告の際は、④工業会証明書、⑤計画申請書、⑥計画認定書(いずれもコピー)を添付します。
※計画の申請先は次の通りです。(4.中小企業経営強化税制における計画申請先も同様。)
中小企業等経営強化法6

(4)手続き上の留意点
・特例の適用を受けるためには一定の設備であることが要件となります。一定の設備に該当する場合には①~④の証明書が発行されます。該当しない場合には証明書の発行はありません。金額要件を満たす資産の取得検討の都度、メーカーに問い合わせて確認します。

・⑤計画申請から⑥計画認定まで、通常1カ月程度の期間を要します。固定資産税の賦課期日は毎年1月1日ですから、12月31日時点で①~⑦の全てが完了していなければなりません。

・設備の取得時期の特例(下図参照)
設備取得後に経営力向上計画を申請する場合は、「★設備取得」から60日以内に「△経営力向上計画が受理」される必要があります。賦課期日である1月1日の前日12月31日までに認定を受ける必要があります。

中小企業等経営強化法3

4中小企業経営強化税制(法人税の特例)

(1)概要
青色申告書を提出する中小企業者等がH29年4月1日からH31年3月31日までの期間内中小企業等経営強化法の認定を受けた経営力向上計画に基づき一定の設備を新規取得して指定事業の用に供した場合、即時償却又は取得価額の10%(資本金3千万円超の法人は7%)の税額控除を選択適用することが出来ます。

(2)対象の設備
中小企業等経営強化法7
※A類型についてはその対象設備の種類ごとに、次の通り販売開始時期の要件が設けられています。(新品であり、なおかつ次のそれぞれの販売開始時期の要件を満たすこと)
機械装置:10年以内、工具:5年以内、器具備品:6年以内、建物附属設備:14年以内、ソフトウェア:5年以内

(3)指定事業とは
建設業、製造業、運送業、情報通信業、倉庫業、卸売業、小売業、不動産業、飲食業、サービス業等、多くの事業が該当します。

(4)適用を受けるための手続きの流れ

本税制の手続きの流れは取得する資産の種類(上記4.(2)類型欄参照)によって2種類に分かれます。

①A類型:生産性向上設備の場合
3.(3)を参照。

②B類型:収益力強化設備の場合
中小企業等経営強化法4
※原則として①~⑧の順に手続きを進めていきます。
※税務申告の際には④確認書、⑤申請書、⑥認定書(いずれもコピー)を添付します。

(5)手続き上の留意点
①A類型は3.(4)を参照

②B類型の場合
・①⇒②
所定の様式で投資計画案を作成し、公認会計士又は税理士へ事前確認を依頼します。

・③⇒④
必要書類に②の事前確認書を添付して確認書発行申請を行います。申請から発行までは約1カ月程度かかります。

・⑤⇒⑥
必要書類に④の確認書等を添付して計画申請します。

・⑦
計画申請の認定を受けてから設備を取得します。

③設備の取得時期の特例(下図参照)⇒A類型・B類型共通
設備取得後に経営力向上計画を申請する場合には、「★設備取得」から60日以内に「△経営力向上計画の申請・受理」される必要があります。遅くとも設備を取得、事業供用した事業年度内に「△経営力向上計画認定」を受ける必要があります。
 
中小企業等経営強化法5

※経産局への確認申請(B類型)は設備取得前に行います。

出典:中小企業等経営強化法に基づく税制措置・金融支援活用の手引 平成29年6月8日版(中小企業庁)

以上

平成29年3月決算の留意点

1法人税率

平成28年4月1日から平成30年3月31日までの間に開始する事業年度の法人税率は23.4%が適用されます。
なお、中小法人等の年800万円以下の所得に対する軽減税率は15%で変わりません。
法人税率1

2欠損金の繰越控除

青色欠損金の繰越控除における控除限度額が、所得金額の60%に引下げられます。
控除限度額

3減価償却資産の償却方法

平成28年4月1日以後に取得した建物附属設備及び構築物の償却方法については、定率法が廃止されたため、定額法が適用されます。
資本的支出を行った場合には、その資本的支出の金額を取得価額としてその本体と同じ種類・耐用年数の資産を新規に取得したものとみなされます(平成19年度改正)。
従って、平成28年4月1日以後に行った資本的支出に係る償却方法は、原則として、定額法となります。

4少額減価償却資産の特例

中小企業者等が取得した30万円未満の減価償却資産については、その取得価額の全額が損金算入できることとされていますが、平成28年4月1日以後に取得したものから、この制度の適用対象法人が、常時使用する従業員数が1,000人以下である中小企業者等に限定されました。
なお、常時使用する従業員に役員は含まれず、パートやアルバイトは含まれます。
※ 中小企業者等とは、中小法人のうち大規模法人の子会社等を除いた法人のことをいいます。

5生産性向上設備投資促進税制

生産性向上設備等を取得した場合の特別償却又は税額控除については、平成29年3月31日をもって廃止されます。
また、中小企業投資促進税制における税額控除率の上乗せ措置も平成29年3月31日をもって廃止されます。

6企業版ふるさと納税

認定地方公共団体が行う「まち・ひと・しごと創成寄附活用事業」に対して寄附をした法人については、寄附額の約3割の税額控除の適用を受けることができます。
なお、これによる税額の軽減効果は、最大で寄附額の6割相当となります。

① 法人税
損金算入による約3割の軽減

② 法人事業税
寄附額の1割を控除(法人事業税の20%が限度)
※ 地方法人特別税廃止後は15%が限度

③ 法人住民税
寄附額の2割を控除(法人住民税法人税割額の20%が限度)
控除しきれない金額がある場合にはその金額を法人税から控除(寄付額の1割、又は法人税の5%が限度)

【寄付金の軽減効果割合】
ふるさと納税

7寄附金の損金不算入

平成28年4月1日以後に支出する寄附金から、義務教育学校を設置する学校法人に対する寄附金が指定寄附金の対象に追加されます。

8雇用促進税制と所得拡大促進税制

平成28年4月1日以後に開始する事業年度から、雇用促進税制の適用が有効求人倍率の低い地域に限定され、都市部での適用はできないことになりました。
なお、従来は雇用促進税制と所得拡大促進税制は選択適用とされていましたが、特定の地域に限り、両制度の重複適用ができることになりました。

医療費控除の特例について

このマークが目印!
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健康の維持増進及び疾病の予防への取組として一定の取組を行う個人が、平成29年1月1日以降に特定の医薬品を購入した際に、その購入費用について所得控除(医療費控除)ができるようになりました。(これをセルフメディケーション税制といいます)
【イメージ図】
セルフメディケーション 挿入図

 

1適用要件

(1)適用を受けられる納税者
この適用を受けようとする年分に一定の取組(法令等に基づき行われる健康の保持増進及び疾病の予防への取組として厚生労働大臣が財務大臣と協議して定まられたもの)を行っている居住者。具体的には以下に掲げる取り組みをいいます。

  1. ① 保険者(健康保険組合、市町村国保等)が実施する健康診査【人間ドッグ、各種健(検)診等】
  2. ② 市町村が健康増進事業として行う健康診査【生活保護受給者等を対象とする健康診査】
  3. ③ 予防接種【定期接種、インフルエンザワクチンの予防接種】
  4. ④ 勤務先で実施する定期健康診断【事業主検診】
  5. ⑤ 特定健康診査(いわゆるメタボ検診)、特定保健指導
  6. ⑥ 市町村が健康増進事業として実施するがん検診

 

(2)適用の対象となる医薬品
自己又は自己と生計を一にする配偶者その他親族のために納税者が支払った医薬品で、医療用から転用された医薬品(=スイッチOTC)のうち、厚生労働省が定める有効成分(平成29年1月13日時点で83)を含むもの。具体的には厚生省のホームページに掲載されているもの(以下のURL参照)
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000124853.html

 

2控除額

実際に支払った上記1(2)の購入費の合計額(保険金などで補填される部分を除きます。)から1万2千円を差し引いた金額(最高8万8千円)

3この適用を受けるための手続

必要事項を記入した確定申告書の提出と次の書類をその確定申告書に添付等することとなります。

(1)上記1(1)の取り組みを行ったことを明らかにする書類
納税者の氏名、取組を行った年及び取組に係る事業を行った保険者、事業者若しくは市区町村の名称又は取組に係る診察を行った医療機関の名称若しくは医師の氏名の記載があるもの。

(2)上記1(2)の購入費につき、領収した者からその領収を証する書類

4その他

  1. (1)申告される方と生計を一にする配偶者その他の親族が「一定の取組」を行っていることは要件とされていません。
  2. (2)健康診断等の結果通知表は、写しでの提出が可能であり、健診結果部分は必要ありません。
  3. (3)従来の医療費控除とは選択適用となります。

所法73、所令262、措法41の17の2、措令26の27の2、措規19の10の2、平28厚生労働省告示第178号、第181号

多世帯同居に対応した住宅リフォームに係る特例

1制度新設の背景と概要

出産・子育ての不安や負担を軽減することが重要な課題であることを踏まえ、世代間の助け合いによる子育てを支援する観点から、多世帯同居に対応した住宅リフォームに関し、①借入金を利用してリフォームを行った場合や②自己資金でリフォームを行った場合の税額控除制度が新設されました。

既存の特定増改築に係る住宅借入金特別控除に「多世帯同居改修工事」が追加されることとなります。

2適用要件等

種類特徴
①リスケジュール・返済期限を延長するなど返済条件を変更します。
・債務免除を伴わないため、基本的には資金繰りの支援であり、財務面の大幅な改善効果は期待できません。
・一時的な事業の下振れが生じた場合など、早期改善の場面で行われる金融支援です。
②DDS
(資本性借入金)
・債権者が債務者に対して有する既存の貸付債権の全部又は一部を劣後する内容に変更します。
・一定期間、返済の猶予を受けることができ資金繰りが安定する効果があります。
③DES
(債務の資本化)
・既存債務を株式に転換します。
・DDSと異なり、決算書上も負債が資本に振り替わるため、債権放棄にきわめて近い効果が得られる抜本的な再生手法です。
④債権放棄・金融機関が、貸付金の一部もしくは全部の返済を免除します。
・債務者側から見る場合は債務免除と呼ばれます。
⑤第二会社方式による実質的債権放棄・債務者の事業の全部または一部を会社分割又は事業譲渡により別会社に承継した後、当該債務者企業を特別清算手続又は破産手続により清算する再生手法です。

【図表-1】 標準的な工事費用相当額

募集職種税務会計スタッフ
雇用形態正社員
仕事内容月次巡回・決算作成・申告業務などを中心に、税務会計業務全般をお任せします。
必要資格税理士有資格者、または税理士試験2科目以上合格者
職務経験不問
※会計事務所実務経験者、尚可
求める人物像前向きかつ俊敏に行動できる方
企業の成長を支援する意志と情熱をお持ちの方
互いの専門性を発揮しながら、協力して問題解決に挑戦できる方
年齢不問
給与月給27万円~36万円
※経験・能力など考慮の上、決定いたします
※試用期間3ヶ月(同条件)
【モデル年収】
30歳税理士:年収500~700万円/40歳税理士:800~1000万円
待遇・
福利厚生
昇給年1回
賞与年2~3回(3.5~5ヶ月)
社会保険完備
交通費全額支給
退職金制度
財形貯蓄
社内預金
社員持株会
各種手当あり(年間優秀賞、役職手当、資格手当、家族手当など)
社員旅行、クラブ活動(ゴルフ部、スキー部、テニス部等)
育児・介護制度
勤務時間9:00~17:00
休日・休暇完全週休2日制(土/日)祝
※休日出勤などがあれば、代休を取得していただけます
年末年始休暇
GW休暇
夏季休暇
有給休暇
慶弔休暇
試験休暇
勤務地東京都 文京区本郷2-10-9 冨士ビル5階
交通各線『御茶ノ水駅』より徒歩5分
東京メトロ丸の内線『本郷三丁目駅』より徒歩5分
採用関連
連絡先
〒113-0033 東京都文京区本郷2-10-9 冨士ビル5階
03-3816-1451 25uchida@sokei.co.jp
税理士法人大和 担当:内田

※計算例
実施した工事が①が2か所、③が1か所の場合
標準的な工事費用=434,700円×2+837,800円=1,707,200円
実際の工事費用を用いずに、実施した工事箇所数に単価を乗じて計算します。

外国人に対する給与課税

~中小企業に押し寄せる海外取引~

中小企業にも海外との取引が日常茶飯事となってきました。専ら輸出だけではなく、海外からの製品や材料の輸入、ネット等での購入、人手不足からの外国籍の方の就労と、身近な国際化が劇的に進んでいます。今回は外国人に対する給与についてどのような取扱いが必要か整理してみました。

1給与課税の原則

外国人に対する入国・出国の管理は「出入国管理及び難民認定法」により厳しく管理されているところですが所得税法においては、課税の観点から以下の区分と課税の取扱いとなっています。

注1) 国内源泉所得とは国内において行う勤務その他の人的役務の提供に起因する所得をいう。

2短期滞在者に対する給与課税の特例

外国企業の従業員(非居住者)が国内において業務を行い、たとえ給与が当該外国企業から支払われるとしても原則としては源泉税を本邦に納付することとなります。しかし現実的には税の納付が行われることは困難です。そこでOECD租税条約加盟国間においては「短期滞在者免税」制度が運用されています。

短期滞在者免税の要件は以下の通りとなります。

注1) 最近の動向は暦年計算ではなく入国日からの1年又は出国日前1年間で計算される。
注2) これは給与源泉地国で課税所得が減少していないことを担保するためのものである。
注3) PEの所得計算上控除されている場合のみでなく、その役務提供がPEのためになされた場合でも「負担されるもの」に該当する。
注4) 規定の適用を受ける場合には「租税条約に関する届出書」の提出が必要。

3留学生・研修生に対する給与課税の特例

学生や研修を目的に来日している者に対する給与課税は、各国ごとに租税条約を結んでおり以下のような取扱いとなっています。この特例を受けるためには給与の支払者を通し所轄の税務署に「租税条約関する届出書」を提出する必要があります。この届出書は給与支払い後においても適用が受けることができます。

提出がない場合は原則的課税によることとなります。

注1) 学生とは学校教育法第1条の定める教育機関に在学する者をいう。入管法での在留資格が「留学」であっても専門学校、専修学校等の学生は含まれない。
注2) 事業修習者とは企業内の見習い研修生及び職業訓練所等の訓練施設において訓練、教育を受ける者をいう。入管法での在留資格が「技能実習」である者はこれに該当。
注3) 事業習得者とはある程度技能を有する者で、他企業から技術上又は職業上の経験を取得するために相手国を訪れる者

以上

法人住民税の改正のまとめ

1法人住民税均等割の税率区分

(1)概 要
平成27年4月1日以後開始事業年度から、均等割税率区分の基準である「資本金等の額」が改正されました。基準の額は以下の通りその判定を行うこととなります。

(2)改正点 ①
上図の通り「資本金等の額」が「資本金+資本準備金の合計額」に満たない場合、その基準は「資本金+資本準備金の合計額」となります。これは、自己株式を大量に取得することにより「資本金等の額」を減少させ、最も低い均等割の税率を適用する法人が散見されたことから、この節税措置にメスが入りました。

(3)改正点 ②
『無償増減資額を加減算する措置』は、従前から規定されている外形標準課税資本割の措置と同様の仕組みで、中小法人等から導入の要望があったことが改正の理由です。この改正により、「無償減資による欠損填補」を行った場合には、その欠損填補に充てた金額を「資本金等の額」から減算できることになりましたので、改正前に比べ均等割の税額が減額される可能性があります。

(4)具体例

① 改正前(資本金等の額により判定)
50人超、かつ、1,835,379,246円 ⇒ 2,290,000円(納付すべき均等割額)

② 改正後
(ア)資本金等の額 1,835,379,246円-1,268,579,246円=566,800,000円
(イ)資本金+資本準備金 30,000,000円+100,000,000円=130,000,000円
(ウ)(ア)>(イ) ∴566,800,000円
50人超、かつ、566,800,000円 ⇒ 530,000円(納付すべき均等割額)

2無償増減資の加減算措置の対象金額

(1)無償増資
平成22年4月1日以後に利益の資本組入を行った金額を必ず加算
※ 加算もれがある場合には、地方自治体による更正処分が行われるので、注意が必要です。

(2)無償減資
平成13年4月1日以後に欠損填補を行った金額を減算することができます。
※ 書類の提出が必要となります。

(3)提出書類
無償減資による欠損填補額は、その金額について下記の「内容を証する書類」を添付した申告書を提出した場合に限り、減算することができます。
① 株主総会議事録
② 債権者に対する異議申立の公告(官報抜粋)
③ 株主資本等変動計算書
※ 無償増資の場合には書類の添付が要件とはされていませんが、各自治体からその提出を求められることがありますので、無償減資の場合と同様書類の準備をしておいた方がいいと思われます。

(4)外形標準課税資本割と法人住民税均等割の相違点
複数の自治体に支店を持つ法人は、外形標準課税資本割では『無償増減資額を加減算する措置』を適用する際に、本店・支店所在の全ての都道府県に対して申告書を提出しますが、上記(3)の株主総会議事録等については本店所在地の都道府県のみへの提出で足ります。

一方、法人住民税均等割では『無償増減資額を加減算する措置』を適用する際には、本店・支店所在の全ての自治体に対して上記(3)の株主総会議事録等を提出することが必要となるようです。

これは、外形標準課税については、その執行上、本店・支店所在の都道府間で情報の共有がされていますが、法人住民税均等割については、本店・支店所在の各都道府県・市町村に調査権等があるものとして執行が行われていることからその取扱いが異なることとなります。

電気通信利用役務の提供に係る消費税の改正

~改正の背景~

インターネットや各種クラウドサービスの利用が私達の生活に深く浸透してきましたが、近年、消費税の課税上の問題が注目されていました。
海外からのインターネット等を通じた電子書籍・音楽・広告の配信やクラウドサービス等の役務の提供には、消費税が課税されていませんでした。一方、同一の役務(サービス)の提供であっても、国内からの役務の提供には消費税が課税されています。
消費税の課税判定を役務提供者の事務所等の所在地で判定しており、役務提供者が国外事業者であれば、消費税を課税することができなかったのです。
そこで、内外の競争環境の公平性・中立性を確保する観点から、海外からのインターネット等を通じた役務の提供に消費税を課税することとなりました。

今回の改正は、主に国外事業者から「インターネット等を通じたサービス(電気利用通信利用役務の提供)」を受ける場合に影響がある内容です。下記フローチャートから影響の有無をご確認ください。

1電気利用通信利用役務の提供とは

「電気通信利用役務の提供」とは、電気通信(インターネット)回線を介して行われる電子書籍や音楽、ソフトウェア等の配信のほか、ネット広告の配信やクラウドサービスの提供、さらには電話や電子メールなどを通じたコンサルタントなどが該当します。

2「電気利用通信役務の提供」に該当する取引の具体例

「電気利用通信利用役務の提供」に該当する取引は、対価を得て行われる以下のようなものが該当します。

3内外判定基準の見直し

電気利用通信利用役務の提供が消費税の課税対象となる国内取引に該当するかどうかの判定基準が、役務の提供を行う者の役務の提供に係る事務所等の所在地から「役務の提供を受ける者の事務所等」に改正されました。
改正前と改正後の課税関係は次の通りです。

国内事業者に提供する「電気通信利用役務の提供」については、国内、国外いずれからの提供であっても国内取引となります。

【例】外国法人が運営するインターネットショッピングサイトを利用して自社(国内事業者)の商品を販売する場合のサイト利用料の消費税の課税判定

改正前:「不課税」 ⇒ 改正後:「課税」

※ 請求書等に消費税について明記されていない場合でも、税込金額の請求額となりますのでご注意ください。

4リバースチャージ方式の導入

国外事業者が「事業者向け電気通信利用役務の提供」を行った場合の課税方式は次の通り改正されました。

「事業者向け電気通信利用役務の提供」を行う国外事業者は、当該役務の提供に際して役務の提供を受けた国内事業者に消費税の申告、納税義務が課される(リバースチャージ方式による申告対処の取引)旨を予め表示しなければなりません。
「事業者向け電気通信利用役務の提供」とは、例えば、インターネット上での広告の配信やゲームをはじめとするアプリケーションソフトをインターネット上のWEBサイトで販売する場所を提供するサービスなどです。
アマゾンショッピングサイト等への広告掲載などが該当します。

5具体例な会計処理

(1)消費者向け電気通信利用役務の提供があった場合

国外事業者から日本の事業者へ10,000円の消費者向け電気通信利用役務の提供(電気通信利用役務の提供のうち、事業者向け以外のもの)があった場合には、その取引は課税取引となるため、請求金額には消費税相当額が含まれます。

国外事業者が次のいずれに該当するかによって会計処理が異なりますのでご注意ください。

①  登録国外事業者の場合

※ 10,000×8/108=740
※ 決算時において当該仮払消費税は仕入税額控除の対象となります。

② 未登録国外事業者の場合

※ 決算時において当該仮払消費税は仕入税額控除の対象”外”となります。

国外事業者が登録国外事業者であるかどうかは国税庁HPに掲載の「登録国外事業者名簿」より確認ができます。

登録国外事業者名簿

(2)事業者向け電気通信利用役務の提供があった場合
国外事業者から日本の事業者へ10,000円の「事業者向け電気通信利用役務の提供(以下「特定課税仕入」とします)」があったとします。

【仕入時】

※ 摘要欄に「特定課税仕入」と入力することで、決算時に集計できるように工夫が必要です。
※ 仮受金は国外事業者において計上すべき預り消費税に相当するものですが、国内事業者において預り消費税を計上することとなります。この点がリバース(逆に)チャージ(課する)方式の所以です。

【決算時】※ 課税売上が95%以上の場合

※ 課税売上割合が95%以上のため全額控除

【決算時】※ 課税売上が95%未満の場合

※ 課税売上割合を80%とする
※ 800×(1-80%)=160
(控除できない仮払消費税相当額(20%相当分)だけ納税額が増える)

6適用時期と経過措置について

(1)適用時期
上記の改正は平成27年10月1日以後に受ける「電気通信利用役務の提供」について適用されます。

(2)経過措置

原則課税で申告を行う事業者で課税売上割合が 95%以上である事業者、及び、簡易課税制度が適用される事業者については、当分の間、特定課税仕入れはなかったものとされるため、特に仕訳処理の際に注意する点はありません。しかし、課税売上割合は期末時点で確定するため、期中に特定課税仕入を行った場合は上記5(2)【仕入時】の仕訳処理をし、決算時における課税売上割合に応じて適宜決算修正をしたほうが良いでしょう。

出典:
国税庁消費税室「国境を越えた役務の提供に係る消費税の課税の見直し等に関するQ&A」
国税庁「国境を越えた役務の提供に係る消費税の課税の見直し等について」

以上