山梨学院短期大学

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先生と学生の対談04:専攻科保育専攻編
先生と学生の対談04:専攻科保育専攻編
  • 遠藤先生保育科 教授
    遠藤清香(えんどうさやか)先生
  • 今井先生保育科 准教授
    今井茂樹(いまいしげき)先生
  • 古屋さん専攻科2年
    古屋(ふるや)さん
  • 長田さん専攻科2年
    長田(おさだ)さん

保育士になりたいと思ったきかっけ、保育科、専攻科に入りたいと思ったきっかけ

対談風景
遠藤先生:
最初に今井先生に聞きます。なんで小学校の先生になろうと思ったんですか。
今井先生:
小学校の先生になろうと思ったきっかけは、もともと私は高校課程体育科保健体育科だったので、長野県の高校体育科の採用試験を受けたのですが、倍率が99倍だったので、これはちょっと難しいぞと思って、もう少し体育科教育の勉強がしたいというのがあったので、大学院に進学しました。そこで小学校の体育授業を見る機会が増えて、小学校の授業研究、体育授業づくり、学級経営など、現場に入って学ぶのが楽しくて、大学院2年のときは週3くらいで現場に入って授業していました。そういうなかで子どもたちと関わることと、体育の授業づくりを通した他の教科の授業づくりも、実際に現場に入ってやりたいと強く思ったのがきっかけですね。
長田さん:
私は高校生の時に、総合学科の福祉コースをとっていて、介護士を目指していたんですけど、介護の授業のカリキュラムの中に、1日だけ保育園で保育の仕事や実際に子どもと関わるという授業があって、それに参加したのがきっかけです。子どもたちが駆け寄ってきてくれるときのかわいい顔と、保育士さんも親身になって子どもたちに話しかけている、その働いている姿が私にはキラキラして見えました。介護士というのもすてきな仕事だと思ってずっと目指してはいたのですが、子どもたちの無邪気な笑顔にやられまして、保育科に入って保育士を目指しています。
古屋さん:
私は小さいころから自分より年下の子たちのお世話をするのが好きだったので、中学校の職業体験でも保育園に行ったり、高校生のときには、将来は保育士か小学校教諭のどちらかにと決めていました。大学を選ぶとなったときに、保育士も小学校教諭もどちらもなりたいから、自分が取りたい免許が全部取れるというのがいいなと思って、この学院に入ったという感じです。
遠藤先生:
古屋さんの場合は、うちの短大が保育と幼稚園教諭と小学校教諭とトリプルで資格が取れるというところが希望とマッチしたのかもしれないね。 二人は専攻科に進んだわけですけれども、その理由は?
長田さん:

私は学院短大の保育科に入った時から一応専攻科に進むという視野を広げて普段から勉強していたので、4年一貫プログラム(※専攻科を目指す学生を集めて実施する特別プログラム)を取りながら、専攻科の様子も知りながらっていう学生生活を送っていました。2年間で卒業はできるんですけど、その2年間だけの学びで自分が社会人になって実際に現場で働くって考えたときに、不安がすごくあって。

2年間でもたくさん実習もあるし、子どもたちと関わる機会も多くて自信もつくんですけど、さらにあと2年間あれば、もっと現場のことも知れて、子どもの様子や保育者と子どもの関わり方とかも実際に見る機会も増えるので、保育士になるのにもっと自信をつけられるかなと思って、専攻科を選びました。
古屋さん:
私は小学校も保育士も全部資格を取りたいという希望があったので、短大に入るまえから専攻科に行きたいと決めていました。高校三年生の時点で、どちらかというと小学校の先生になりたいという気持ちが大きかったので、専攻科に行くと小学校一種の免許が取れるというのがすごく魅力的でした。短大に入学して本科のうちから小学校のカリキュラムを取って、専攻科でより深い学びや、小学校での現場研修もありというのを聞いていたので、それがすごく魅力的でした。

2年で卒業する同級生との”ずれ”

対談風景・長田さん
遠藤先生:
それぞれに理由あると思うんだけど、同級生のほとんどは2年で卒業して就職するのに、二人はもっと学び深めたいからさらに2年いくじゃないですか。そうするとこれから社会に出るときに、2年間のずれがあるわけだけど、二人はその辺のところはどう解決した? それが心配だから専攻科に行かないなんて子も結構いるけど、あんまり気にならないかなって感じですか?
長田さん:
いえ、私はすごく気にしていました。2年間で友達がみんな社会にでて、保育士としての実力をつけていのに、自分が学生としてまだ大学に残ってるとなると、就職した時にはもうみんなは2年先を行っていて。なんというか不安ではないですけど…置いてかれてる感がすごくあったから、親にも相談はしたし、 たぶん遠藤先生にも相談したかもしれないんです。でも幼稚園教諭・保育士を目指しているなかで、一種といういちばん上の免許を取ったり、1年間のインターンのなかで実力は身につけられるから、その差はそんなに気にすることないよという言葉をいただいたので、それが専攻科に進もうかなっていう決め手ですね。
遠藤先生:
ぜったい心配ないからって。
今井先生:

ぼくも学部が終わって大学院に2年間行ったので、同期は小学校や中高の教員だったりするので、そういう同じ思いを持ったけど、その大学院に行った2年間がすごい財産になった。現場に入っちゃうと忙しくて、たとえば子どもとのかかわり方とか、先生の授業づくりとか、理論と実践を重ねながら見る機会が薄れちゃうんだけど、たぶんみんなにとってもインターンに行ったりして学んだことと、実際に現場研修とかに行って子どもたちと関わることが学生時代にできるというのがものすごく貴重です。

ストレートで行ったひとたちよりも大きな財産を持っているから、たぶんこの先、5年後10年後とかに自分に自信を持てると感じている。
古屋さん:

私は、2年で卒業した同期が現場で働いていることに関しては、あまり不安はなくて。自分の人生だからまわりに左右されずにっていう気持ちがあります。小学校教員になりたいというのが固まっていたので、2年で卒業して現場に出れるかって聞かれたときに、やっぱり出れないなって思って。

まわりが就職して社会に出てがんばっているのはすごく誇らしいことだし、自分も2年後、同期みたいに頑張っていけるようになりたいなっていう思いを持ちつつ、自分は専攻科に行って、専門的な知識をつけて現場研修で技術も学んで、いろんな先生に出会うことができると思う。そういう先生から学んでから現場に出たいので、不安というより、あと2年も学べるんだから楽しめばいいじゃん、っていう思いが強かったです。

実習で出会った印象深い先生たち

対談風景・古屋さん
今井先生:
その実習で長田さんは幼稚園とか保育園に行って、古屋さんはそれプラス小学校や施設にも行ってると思うけど、自分が保育士や小学校教員を目指したいなと思った、印象に残った指導教員の先生とのかかわりはある?
古屋さん:

研究授業とか日々の生活の中で、子どもと多く接することを大事にしているんですけど、そう意識しはじめたきっかけがあります。 系列の小学校に初めて2週間実習に行ったときに、担当してくださった先生が、授業をするよりも子どもと遊ぶことを大事にしたいと言っていたことが思い出に残っています。授業で子どもに教えることは大事だけど、それ以外に子どもたちと一緒にいる中で子どもと関わって一緒に遊んで楽しんでという時間は、教師が一日中一緒にいるから持てるものじゃないかと思ったので、そういうことを大事にしながら、2週間の実習や1年間の現場研修をおこなっていたら、最後に子どもたちに先生に来年ぼくたちの担任になってほしいという言葉をもらえました。

先生に出会えてよかったし、これから立派な先生になっていつか僕たちにまた会ってくれるのを楽しみにしていると言われたときに、実際働きにでて担任を持ったときに、毎回そういうことを言ってもらえるように頑張っていきたいなって思って。子どもに寄り添っていくことを大事にしていきたいな思うようになりました。
長田さん:

本科のときの2年生のときに、幼稚園の3週間実習で年中さんを担当させてもらいました。部分実習と責任実習が分かれていて、自分が考える活動ですごく悩んで、先生とやりとりして園長先生に聞いたり、家でもシミュレーションを重ねました。私はやってくなかで試行錯誤しながらちょっとミスったなと思う部分があったのですが、子どもたちは活動を終えたあとに、すごく心からの楽しそうな笑顔を見せてくれて。私のやった活動を楽しいと思ってもらえるというやりがいを感じられました。

そのときはよかったという気持ちだったんですけど、現場に立つ先生の目線は深いところまですごく見ていて、もっとこうしておけばよかった、子どもたちがこういうときはこうしたほうがよかったねとか、いろんなアドバイスをいただくなかで、くやしさからそのときは涙が出てしまって。担当してくださった先生も、「長田先生がいつも子どもたちに積極的にかかわったり、子どもたちのために何かしようと思っている姿は、私にはすごく伝わっているよ」と言ってくれて。先生のその言葉で、一瞬折れかかった心が戻されました。
今井先生:
お二人とも実習で素敵な先生に出会って、その先生から学んだり、こういう先生になりたいなと思ったんですね。そういったところで実習はすごく大事だし、これから就職しても、同僚の先生の中で素敵な先生がいると思うから、いろいろ教えてもらいながら、まずはそういう先生を目標にしながら、自分が今度はまたその先生を越えていくような先生になっていただきたいです。
長田・古屋:
がんばります。

1年間通年で教育現場に入る授業は、他大にはない魅力

対談風景・遠藤先生
遠藤先生:
それぞれになりたい保育者像や小学校教員像があると思うけど、そこへ向かっていくにあたって、専攻科で2年間学んできて役立っているなと思う授業はありますか。
古屋さん:

私が専攻科の授業でいちばん役に立ったともうのは、前期のときに1年間通年であった「実践研究」という授業です。実際の小学校の校長先生や幼稚園の園長先生にご協力をいただいて、大人数を相手に大きい活動を考えたり、郊外活動を自分たちで計画して子どもたちを連れていって活動するという授業です。現場研修や実習は先生たちについていく補佐としての役割だったので、より現場に近い活動ができたのが大きいです。

とくに、大人数の子どもを相手にするということは、いろんな事故とか怪我の心配もあるし、郊外に連れていくというのは周囲の人たちや地域の人たちもいるから安全面も気を付けていかなければいけないというのを、計画から実践の中で身にしみて感じました。実践研究で24人専攻科のみんなで計画してできたことが、4月に現場に出始めたときに活かせることだなと思っています。安全性に気を付けることだったり、子どもたちをその活動のなかでどんなことを学んでもらって、どういうところをひとりひとり評価していきたいのかという視点も養われていると思うので、それが現場でどれだけ発揮できるのか楽しみになりつつ、勉強になったなと思っています。
遠藤先生:
なるほどね。自分でやるとなると、教育的な「ねらい」とか方法とか、子どもに力がついたかとか教育の主軸の部分だけじゃなくて、安全面とか子どもたちの人間関係とかにも気を配りながらやらなければならないというのが実際にわかった、と。任せてもらえたというのはいい授業だったね。
長田さん:

私は1年生の時に1年間週一で行われたインターンです。私は附属の幼稚園に1年間インターンとして入らせていただいて、本科の時みたいに自分が実習生という立場で現場に2、3週間入るのと違って、保育士の免許を持ったひとという立場でインターンとして入らせてもらいます。たとえばバスに乗って子どもの命を預かりながら登園・降園をともにしたり、毎月子どもたちが楽しめるコーナー保育(※コーナー保育の説明文入る)というのを自分たちで考えて遊びの場を提供したりとか、普段の実習ではできないようなことを1年間行わせていただきました。

1年間おこなうので、逃げ出したくなることや思い通りにいかないことも多かったので、つらかったこともありますが、子どもたちが「はづきせんせい」と寄ってきてくれて、それだけで心が救われました。普段コーナー保育は年齢に応じたものをすすめているので、年少さんを受け持っていた私は、はさみを使ってできる範囲の工作を一緒にやってみるといったことを毎月提案して。子どもたちが楽しんでいる姿を見て、コーナー保育での遊びが自分のひとつの材料になったなって。
遠藤先生:
毎週準備するってたいへんだったよね。でもそんな中で子どもの笑顔に救われる感じだったんですね。 バスの話もでたけど、「安全」って子どもに関わる仕事ではとても大事だから、そなところを先生たちにご指導いただきながらも責任もって学ぶ機会があったっていうのもよかったよね。
今井先生:
僕は去年来て感じたのは、大学のカリキュラムとして現場で学ぶ機会がたくさんあるというのはとても良い事だなと思います。自分がいた大学では、実習以外で現場に入って実際に子どもたちと関わって活動するというのはなかった。今読んでいる教師教育という本でも、大学のカリキュラムの問題としてそういう場が少ないと指摘されていて、本当にそうだなと思う。実践研究と現場研修が専攻科にあって、現場に入って先生たちの指導をしていただきながら子どもたちに関われるこのカリキュラムはすごく魅力的です。
遠藤先生:
他大ではないんだよ。うちは系列の幼稚園や小学校があるから。

学生から先生に聞いてみたいこと

古屋さん:
先生は本科と専攻科両方の学生を見ていますが、いろんな先生に「専攻科生って違うよね」とよく言われます。私たちは変わらないと思うのですが、保育科から専攻科に進むと、どんなふうに印象が変わるのでしょうか。
それと、いまから保育科や専攻科に入ってくる学生に、どんなふうに学んで社会にでてほしいと思われますか。
遠藤先生:
専攻科に入ると学生さんはすごく変わるていうのは何だろうね、すごく思う。本科の保育科は学年で100人近くいて、50人以上の授業も多いし、そのなかで先生たちが伝たいことをみんながどんどん吸収していてくれる2年間だと思うんだよね。その知識や考えを吸収するというのは大事な時期だと思うんだけど、逆にいうとその2年間でみんなから放出が少なめかもしれない。
でも2年間でためた知識をもとに専攻科の2年間で主体的に実践をする。みんなが考えたことが表現や活動の内容として出てくるのが、先生たちには思いつかないアイデアだったり、いままで学んできたことをちゃんと使って実践を組み立てたり、そういう姿を見ると、ああ力が付いているなと思います。知識の吸収の時期というのは絶対に必要で、そこに積み重なった実践の時期があるから、専攻科の学生はすごく成長したなと思うのかもしれない。
今井先生:
本科の1年生や2年生とつなげて見てみると、1年生からたくさん実習経験を積んできているというのは、大きいなと思っています。前任校にいたときに実習生をたくさん受け持ってきたのですが、その実習生が「実習が何よりも学びになった」といつも言っていました。 指導案を学んできても、現場にくるとぜんぜん活かされなかったりするので、実習の現場をたくさん積んできて、専攻科に入ってさらにまた現場研修があるので、その経験値がみんなをさらに成長させているんじゃないかな。
対談風景・今井先生
今井先生:

あと、何よりもみなさんの成長がうれしかったのは、このあいだの「やまさんプロジェクト」セミナーのときに、僕の実践と運動に特化した幼稚園の比較のVを見せて、僕が伏線をはっておいて、自分の実践が、子どもたち主体でみんながひとりひとり輝けるような内発的に動機づけられた実線が大事という話をしたなかで、バディのところは楽しいかもしれないけど、ある意味外発的に子どもたちへの外からの圧がかかっているような実践だったので、それを見せたときに、専攻科の学生のみなさんは、自分の体育科教育法とか運動遊びのことで伝えてきたことをちゃんと自分の考えとして落として、その子どものことを想像しながら考えて、学習感想だけではなく、さらにZoomのチャット機能にみんな感想を書き込んでくるんですよ。そこがすごい成長しているなと感じました。

現場目線で見られているのはうれしかったし、セミナーに来ていた園長先生たちともあとで残って話していたんですけど、みなさんすごいねという話をされていました。ちゃんと学んだことを現場にでているから子どもたち目線で考えてられている、その視野が広がってきているというのが成長しているすがたを見るのはうれしい。授業をしていて自分も幸せな気分です。
遠藤先生:
実習が集大成みたいなカリキュラムってあるけど、うちは実習が終わったあとに、また次の実習、研修が来て、という感じで何回も来るから、どんどん学びが深まっていくというのが大きいよね。
それと、専攻科生は意見を言うのが苦じゃないように見えます。自分の意見がしっかりあるし、それをいうことができる学生さんたちだなと思います。

対談日:2022年10月25日(火)


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